2006年 05月 22日
貝のいない用宗海岸にて潮干狩り
私たち家族は静岡市安倍川河口・用宗海岸近くの公団住宅に住んでいました。
今頃の時期になると “潮干狩り” のニュースがテレビに出ます。
また、学校あるいは幼稚園でもこの話題が会話の中に上ってくるようでした。
子供たちも潮干狩りに興味津々であります。
静岡市・用宗は日帰り可能な浜名湖あるいは常滑など潮干狩りに絶好な場所の近くです。
しかし、そこまで行く気持ちになれないでいた私です。
今なら、毎日でも行ったかもしれません。
しかし、当時は現役サラリーマン、毎日毎日のノルマに追われ心の余裕がなかったのでしょう。
今にして思えば、ありとあらゆる行けない理由を述べて山の神や子供たちを押さえ込んでいたのだと思います。
今更遅いですが、山の神や子供たちに申し訳なく思っています。
その穴埋めの気持ちがあったのでしょう、一案を思いつきました。
住まい近くの用宗海岸には貝が生息していません。
そこで、貝を買ってきてその砂浜にそれを埋めて子供たちに “潮干狩り” をさせようということです。
細工は流々と私は思っていましたが、これが、あさはかの極みであったことをまもなく知ることになりました。
それはさておき、決行当日、私は朝早く東名高速道路・静岡インター近くの緑ヶ丘という町の陸橋横の貝屋さんに行き、網袋入りのアサリを大量に仕入れました。
それを用宗海岸の砂浜にもって行き網袋入りの貝を砂に埋めたのです。
網袋のまま埋めた理由は貝の移動が予想外に早いことを知っていたためです。
先ず、貝を埋める場所5m四方の砂上にビニールテープを張りました。
その上で、家族に潮干狩りをはじめる連絡をして海岸に来るように伝えました。
それと同時に網袋から貝を取り出し砂の中に撒きました。
そこが、今回の作戦の失敗であったのです。
娘とその友達の歌子マンは家族より先に徒歩で海岸の防波堤のところに来ていたそうです。
私が網袋から貝を取り出して撒くところを歌子マンたちは見ていたのです。
また、わが家の山の神たちは用宗海岸に貝がいないことは先刻知っていたのであります。
それにもかかわらず、私が演出した潮干狩りを心行くまだで楽しんでくれました。
私は涙が出ました。
この家族たちそして歌子マンのやさしさに!!
時は経ち、娘も歌子マンもそれぞれ一児の母になりました。
私にくれたそのやさしさをあふれるほど愛児に注いでいることでしょう。
みんなの幸せが永久であることを願わずには居られません。
来週、5月29日(月)は “花守のいる宿” を投稿します。
by suna100w99
| 2006-05-22 08:40